第三回 教養学部総合社会科学科国際関係論分科 4年 村井瑛未さん
ジュネーヴ大学のキャンパス。
――利用した交換プログラム、留学先の大学、学部を教えてください 教養学部後期課程の交換留学プログラム(AIKOM)を利用して、スイスのジュネーヴ大学の経済社会学部に2008年の9月から2009年の6月まで留学していました。 ――留学をしようと思ったきっかけはどのようなものでしたか 高校2年生のとき、NHKでアフリカの難民についてのドキュメンタリーを見ました。日本では普通に送れるはずの生活ができない国があることに衝撃を受け、将来途上国の支援に携わる仕事がしたいと思うようになりました。 途上国支援の仕事には、青年海外協力隊やNGOなどさまざまなものがある中で、私は国際機関で働くことを目標にしています。草の根レベルでの支援に憧れる部分はありましたが、大きな機関でしかできないこともあると思ったためです。 留学をしようと思ったのは、もともと海外への憧れがあったためと、途上国や国際機関で働くには、高い外国語能力が必要だったためです。英語はサークルで日常的に使っていたし、英語圏の大学院でしっかり鍛えたいと思ったので、国際機関で二番目に話され、アフリカでも使われているフランス語をマスターしようと思いました。ジュネーヴに引かれた理由は、多くの国際機関が立ち並ぶ町だからです。 ――留学に必要な準備はどのようなものでしたか ジュネーヴ大に留学するためには、中級程度のフランス語が必要でした。第二外国語の授業でフランス語を取っていたので、まずはその予習と復習を丁寧にやりました。 AIKOMで留学するためには、志望動機書と面接などからなる学内選考を突破する必要があります。志望動機書に書く内容を綿密に練ったり、フランス語の資格を取ったり、フランス語で行われる面接対策のために日仏学院に通ったりしました。 奨学金は留学が内定したらAIKOMの事務所から連絡がもらえる仕組みになっています。日本学生支援機構(JASSO)が出している奨学金と、東大が出しているものと二つの選択肢があります。月10万出る東大のものよりは、月8万円と金額は少ないですが、締め切りが早いためJASSOの奨学金に申し込みました。マクドナルドでセットを頼めば日本円で1000円以上になるほどスイスは物価が高いので、生活のために奨学金は重要です。 ――留学先ではどのような授業を受講しましたか 週9~10コマで、そのうちフランス語の授業を4つ取っていました。在籍していたのは経済社会学部ですが、留学生は他学部の授業も取ることができたので、法律の授業も取ったりしていました。授業は全部フランス語で、日本語学科にはフランス語で日本の戦後史を講義するものも。毎回授業の録音を取り、聞き返しているうちに1コマあたり5、6時間かかっていることもありました。 ――現地の雰囲気はどうでしたか 国民の5分の1を外国人が占める国ですから、キャンパスにもアラブやアジア、南米からの学生がいて国際色が豊かです。ルームメイトはケニアから来た弁護士の方で、一児の母でした。朝から晩まで図書館で勉強するほど勤勉でした。アメリカ人の方は二度目の修士課程で、国際機関でも働いたことがあるそうです。周りの学生は皆モチベーションが高く、いい刺激になりました。 その反面、スイスの生活はのんびりしたものでした。スイスの人々は、生活にも心にも常にゆとりを持っていようという意識があり、例えば日本のように電車に飛び乗ったりする人はいませんでした。私もゆったりとしていたため、帰国後は親に「歩くの遅くなった?」と言われました。レマン湖が寮から1分のところにあり、水が本当に青くて奇麗だったときスイスに来てよかったと思いました。
アルプスの山並み。
――留学中で苦労した経験は何ですか さまざまな国から学生が集まった学生が、割り当てられた議題についてディスカッションする模擬国連に参加してきた時のことです。60カ国、200人以上がジュネーヴの国際連合ヨーロッパ本部に集結する大きなイベントでした。実際の国際連合を模した複雑なルールや英語で行われるディスカッションに対応するのが大変で、留学中に一番落ち込んだ経験です。落ち込んだままでもいられないので、ルールを読み直し議題についてしっかり勉強すると、会議の最後の方には少しずつ発言できるようになっていきました。 ――将来はどのような進路を考えていますか 国際公務員になろうと考えています。外務省が主催している国際機関への派遣制度(JPO)の応募資格には職務経験と修士号が必要なので、国際協力系の機関、もしく日本の一般企業に就職しようと考えています。その後、海外の修士課程へ進んで、国際機関でのインターンに参加することを狙っています。 ――最後に、東大生に向けてメッセージをお願いします 初めは、留学をすれば自分に自信が付くかと思っていました。しかし、実際はその逆で自分がまだまだであることを知りました。ヨーロッパ人は語学が堪能で、議論についていけず自信をなくしたこともありました。ただ自信をなくしたわけではなく、自分の伸びしろを知ることができたのは留学の大きな成果だと思っています。これからは、専門の国際関係論や語学をさらに勉強していくつもりです。 留学では語学を超えた体験を得ることができます。東大の知名度がない外国で、世界の学生のレベルや考えを知ることができるいい機会なので、ぜひ挑戦してほしいです。 ――ありがとうございました。
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東京大学は、イェール大学に日本研究及び日本に関連する人文学・社会科学のラボラトリを開設し、東京大学の教員による講義、シンポジウム、セミナーなどの開催や、イェール大学の研究者と共同研究が展開できる仕組みを整備しています。これにより、アメリカの日本研究に刺激を与えるとともに、東京大学の日本研究者・日本関連の研究にも刺激を与え、東京大学の国際化及び日本研究の普及の一端を担う重要な拠点となることを期待しています。
■団体名:東京大学IAESTE委員会
※丁友会とIAESTE tlsc 、東京大学の教授委員会で構成された国際交流支援組織
■ウェブサイト:http://www.iaeste.t.u-tokyo.ac.jp/
■東京大学国際連携本部 (The University of Tokyo Division for International Relations)
■ウェブサイト:http://dir.u-tokyo.ac.jp/